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当院医師が共著者として参加した研究論文が、米国心臓協会の学術誌に掲載されました
このたび、当院の鶴田浩太呂医師・山口尊則医師が共著者として参加した研究論文が、米国心臓協会(American Heart Association)の学術誌『Journal of the American Heart Association(JAHA)』に掲載されましたので、ご報告いたします(2026年8月27日オンライン公開)。
佐賀大学医学部循環器内科のグループを中心とした共同研究で、タイトルは「Histological Determinants of Atrial Dysfunction in Patients With Atrial Fibrillation(心房細動患者における心房機能低下の組織学的規定因子)」です。
■ どのような研究か
心房細動は、心房(心臓の上側の部屋)が細かく震えてしまう不整脈です。心房細動が続くと心房の筋肉そのものが少しずつ変化していくことが知られていますが、その変化が「心房の働きの低下」にどう結びつくのかは、これまで十分にわかっていませんでした。心房の組織を直接調べる機会が、ほとんどなかったためです。
本研究では、カテーテルアブレーション治療を受けられた心房細動の患者さん375名を対象に、治療時に採取した心房の組織を詳しく解析し、心エコー検査で測定した心房の機能(左房ストレイン)と照らし合わせました。さらに別の191名でも同じ傾向が確認されています。
■ わかったこと
- 心房の線維化(筋肉が硬い組織に置き換わる変化)、心筋細胞の減少、アミロイドという物質の沈着——この3つが、心房の働きの低下と強く関係していました。
- これらの変化が進んでいる方では、アブレーション治療の後も心房の働きが戻りにくい傾向がありました。
- アミロイドの沈着が進んでいる方は、その後の経過においても注意が必要であることが示されました。
- そして、心エコー検査(左房ストレイン)で、こうした心房の変化をかなりの精度で推定できることが示されました。組織を採らなくても、体に負担のない検査で心房の状態を評価できる可能性を示した点が、この研究のポイントのひとつです。
(なお、ここでいうアミロイドの沈着は心房に限って生じる変化で、全身にアミロイドがたまる「全身性アミロイドーシス」とは異なるものです。)
■ 日々の診療とのつながり
心房細動は加齢とともに増えていく不整脈で、動悸などの症状だけでなく、脳梗塞や心不全の原因にもなります。一方で、まったく自覚症状のない方も少なくありません。
今回の研究は、心房細動を「脈の乱れ」だけでなく「心房という臓器の状態」として捉えることの大切さを、あらためて示すものだと考えています。
当院では、心電図・ホルター心電図・心エコーなどの検査から、抗凝固療法をはじめとする内服治療、必要に応じたカテーテルアブレーション治療のご相談まで対応しております。大学病院での診療・研究を通じて得た知見を、地域のみなさまの日常の診療に還元していくことを大切にしております。
動悸がする、脈がとぶ、健診で不整脈を指摘された—ご心配がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
論文の全文は下記よりご覧いただけます(オープンアクセス・英文)。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.126.051919

